同朋の会結成報告

2022.07.27

鹿児島組 西雲寺「同朋の会」結成30・50年表彰

 この度、鹿児島組西雲寺(鮫島宏規 住職)は、同朋の会が結成してから50年が経過し、本山より記念品の贈呈がありましたので、同朋の会の様子も含めて報告いたします。

 鹿児島県薩摩半島の南に位置する西雲寺(鹿児島県南九州市知覧町)は、知覧茶で有名な茶畑が広がるのどかな場所にあり、2018年には門徒会館が落成し聞法会や旧南薩組事業など、様々な場で仏法聴聞の場として開かれています。

同朋の会結成は、鮫島聰前住職が入寺された1963年会員数は25名からはじまり、年々過疎化や高齢化が問題となっている中でも毎月28日には、現在でも平均20名が参加されています。

 主に鹿児島県では、明治時代まで薩摩藩の宗教政策により、真宗の念仏が300有余年もの間禁止となり、その間真宗門徒は夜中に、山奥の洞窟(ガマ)に集まり、講を開き念仏を称える日々を送らざるを得ませんでした。監視(見張り)に見つかった時には、厳しい拷問を受け、時には命を落とす方々もおられました。西雲寺から約1キロ離れたところには立山かくれ念仏洞があり、整備もされているので近くに来られた際には是非、立ち寄ってください。

 さて、同朋の会へ話は戻しますが、住職に話を伺ったところ、同朋の会結成以前から先に述べたように、かくれ念仏(禁制)時代の講が各地域で組織され、親鸞聖人のみ教えをそれぞれの場で聴聞されていた門徒方の「寺(説教所)を建立したい」という熱い思いから、1954年に西雲寺寺号公称へと結ばれました。各地域での講が西雲寺(当時は説教所)に集まるようになり、聞法の道場として現在の同朋の会となっています。

 私が同朋の会に伺った当日は、住職・坊守が作成した阿弥陀経や同朋会運動についてのプリントをもとに参加者が一生懸命耳を傾けていました。聞法会終了後に、同朋の会結成50年・30年の表彰が行われ、中根教務所長から住職に記念品贈呈がありました。

 住職は今回の配布プリントに以下の言葉を記載されていました。「西雲寺でも1963年9月28日に同朋の会が結成されています。結成丸58年になります。これまでよく続けてこられたと思います。これも、先達とみなさま方の願いがあってこそだと痛感しております。(住職)」

 同朋の会は、何か大輪の花が咲かせる華々しいものではなく、土の中に埋もれている草の根の様な活動かもしれません。ただ、見えない根こそ実は本当に大切なものなのではないでしょうか。それこそ、寺に住むものと門徒が共に膝を突き合わせて(仲良くなり)共に念仏に生きる、本当の人間になることが同朋の会ではないかと、今回の西雲寺同朋の会訪問で感じました。

 今後、教務所・各支所の駐在教導ならびに、教化相談員が各寺・各地域の同朋の会へ積極的に出向し、共に教えを聞かせて頂き、語り合ってまいりますので、何卒宜しくお願いいたします。

(文:鹿児島教務支所駐在教導 玉井和導)

同朋の会結成30・50年記念品贈呈記念写真
立山かくれ念仏洞入口 中には本尊が安置され、5名ほどが入れる空間があります。

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