年頭挨拶

 九州教区の皆様方に、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 旧年中は、御依頼の勧募をはじめ、教区・組の運営、そして様々な教化活動にご尽力を賜り誠に有り難うございました。ここに厚く御礼を申し上げます。
世界では、ロシアとウクライナの戦争、そして、イスラエルのガザへの侵攻など、絶えることの無い争いが続いています。テレビ報道などでは、空爆によって傷ついた多くの人々の映像が毎日のように流れ、皆さま方も心を痛めておられる日々を送っているのではないでしょうか。
 戦争の罪が人間の根源的な罪として問われることなく、自らの深い懴悔とはならないことによって繰り返される争い。私たちは、長崎の地において「非核非戦」の誓いのもとに、戦争を問い、人類の未来を問い、自らの罪を問い直す歩みを進めてきました。
 世界情勢を目の当たりにする今、敗戦80年にあたる2025年において、改めて、亡き人々の声なき声、いのち奪われた全てのものの悲痛な叫びを聞き、真摯に自らを問い直す時と場をもたねばと思うのであります。
 さて、新型コロナウィルス感染症の発生から約4年が経過し、世界をはじめ日本でも以前の日常生活に戻りつつある昨今、寺院・教会においても、中止・延期、簡略化していた仏事が回復傾向にあります。
 そのような中で、教区・組の改編に加え、感染症によって教区の状況が著しく変化したここ数年の歩みを振り返り、様々な課題に向き合いながら、2026年春からの「九州教区 宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要」をお迎えする準備を進めていかなければなりません。
 特に、合併した組における運営面をはじめとする諸課題は山積しているように感じます。ぜひ「組同朋総会」などを開催し、まずは組内の方々の顔が見える組の運営、互いに意見を言い合える場づくりから始めていただきたいと切に願うことであります。
 九州教区として歩み出した私たちが、どのような教区を願い創っていくのか。私たちの子や孫に手渡していく為にも、互いに語り合い、より深く思考し、歩みを進めてまいりたいと思っております。
 本年も皆さま方からのより一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

                                以 上

真宗大谷派 九州教務所長 信國 眞一