新年度(2024年度)にあたって

 九州教区の皆様方におかれましては、日頃より、御依頼の勧募をはじめ、教区・組・寺院の運営、そして様々な教化活動にご尽力を賜っておりますこと、厚く御礼を申し上げます。
 さて、2024年1月1日に発生した「能登半島地震」におきましては、寺院の本堂等が倒壊し、またご門徒のご自宅等も被害を受けられ、多くの方々が亡くなられました。そして今もなお、避難生活を余儀なくされている方々がおられます。九州教区といたしましては、引き続き、義援金の勧募を行ってまいりますので、何卒ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 また世界では、ロシアとウクライナの戦争をはじめ、絶えることの無い争いが続き、私たち人間の愚かなすがたが毎日のように報道されています。そのような中、2025年には、敗戦・原爆投下から80年を迎えます。今こそ、九州・長崎の地で大切にしてきた「非核非戦」の御言葉に真向かうべき時であります。亡き人々の声なき声、いのち奪われた全てのものの悲痛な叫びを、諸仏・如来の呼びかけとして聞きひらいていかなければならないのではないでしょうか。
 特に本年度は、仏事の執行が可能な仏間を備えた3階建ての「東本願寺 仏事サポートセンター福岡(福岡教務支所)」が、福岡市中央区今川の地に完成(9月末完成)いたします。これまでの、教区内寺院の「仏事代行」はもとより、仏縁の無かった方々にもご縁を結んでいただけるよう積極的に取り組んでまいります。
 新型コロナウィルス感染症の発生から4年が経過し、以前の日常生活に戻りつつある今、教区・組・寺院等の諸課題に向き合いながら、「九州教区 宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要」をお迎えする準備を着実に進めてまいりたいと思います。
 私たちがどのような九州教区を願い、後の人に手渡していくのか。語り合い、確かめ合いながら丁寧に歩みを進めてまいりたいと思いますので、本年度も所員一同何卒ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
                                以 上

真宗大谷派 九州教務所長 信國 眞一