「原爆80年非核非戦法要・非核非戦のつどい」の開催について
2025.06.17

あなたは、どんな
「くに」を
願いますか?
原爆投下から80年。
多くのご遺骨が収められた
東本願寺長崎教会の長い歩み。
長崎教会(長崎教務支所)にある非核非戦の碑の下には、1万体とも、2万体とも推定される原子爆弾で亡くなられた方々の御遺骨が納められています。長崎に原爆が投下された後、数多くの御遺体、御遺骨が手つかずのまま、風雨にさらされていました。その惨状を目の当たりにした方々が立ち上がり、御遺骨を拾い集められ、これまで法要を勤めてきてくださいました。
時を経て、私たちは、原爆40周年を迎えた際、「非核非戦」という言葉に出遇いました。以来、人間の欲望の追求の結果としての「核」、また我らの驕りと差別心の現れとしての「戦」、それらを悲しむ如来からの問いかけとしての「非」(あらず)と受け止め、現在も非核非戦の碑、御遺骨の前で法要を勤め続けています。
戦争という人間が人間を殺害する悲劇。ましてや知性の限りを尽くして一瞬で大量殺戮を成し遂げる核爆弾を造り出し、それを使用したのが人間です。しかしその一方で、その状況を「あわれ」と感じ、命のあまりにぞんざいな扱い方に耐え切れず、自らも原爆の被害にあいながら、御遺骨を拾い集めたのも人間です。
今年は原爆投下、敗戦80年をむかえます。日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、被爆者の方々の長年の地道な活動が世界に認められました。しかし、今現在も核兵器による威嚇が世界中で繰り広げられています。日本の平和も、アメリカの核の傘に守られているという幻想に基づく、かりそめの平和でしかありません。
核・戦の問題は、人間にはおよそ解決ができないような問題にさえ感じられます。しかし、核も戦も人間が起こすことである限り、止めうるのも人間の力に依るのではないでしょうか。
解決ができそうなことにのみに取り組むというのは、科学的な発想です。元来、宗教は人間に答え得ないものを問う歩みのところに求められるものでしょう。「どうすることもできない」とあきらめてしまうのではなく、かつて御遺骨を拾い集められた先人たちがそうされたように、核・戦によって、傷つき、いのち奪われた方々から促されて、今を生きる私たちが、慈悲の心を尽くしえない身のままに、立ち上がることが待たれていると思うのです。
核・戦を放棄するのか、それとも人間であることを放棄するのか。どれだけ月日が流れても変わらない、人間に与えられた課題であります。
どうぞ原爆投下の地・長崎にて、有縁の方々と共に、その課題に向き合う法要にご参加ください。一人でも多くの方のお参りをお待ちしております。
※2025年 原爆80年 非核非戦チラシより抜粋
原爆80年 非核非戦法要について
8月9日(土)に「原爆80年 非核非戦法要」が勤修されます。
ご講師に、森 達也氏(映画監督・作家)をお招きして、講演会を行います。
参加費無料・お申し込み不要ですので、ぜひご参加ください。
なお、講演会は 九州教区公式YouTube でもご視聴いただけます。
森 達也 (もり たつや)
広島県生まれ。ディレクターとしてテレビ・ドキュメンタリー作品を多く制作。98年に自主制作ドキュメンタリー映画『A』を発表、ベルリン映画祭に正式招待される。01年、続編の『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。10年出版の『A3』では第33回講談社ノンフィクション賞受賞。2023年に発表した『福田村事件』で日本アカデミー監督賞を受賞著書・共著に『放送禁止歌』『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』『たったひとつ「真実」なんてない-メディアは何を伝えているのか』『戦争の世紀を超えて』
<開催日>2025年8月9日(土)13:00~16:00
<会 場>長崎教会(長崎県長崎市筑後町9-23)
<日 程>
12:30 受付
13:20 勤行
14:30 講演
講師:森 達也氏(映画監督・作家)
16:00 閉会
原爆80年 非核非戦のつどい× 平和行進について
9月7日(日)に「非核非戦のつどい」が開催されます。
日程において、本山から門首ならびに宗務総長がお越しになり、ご挨拶をいただきます。
また、ご講師には、尾畑 文正氏(三重教区 員弁組 泉稱寺前住職)をお招きして、ご法話をいただきます。
参加をご希望の方は、下記お申し込みフォームまたはお電話にてお申し込みください。なお、法話は 九州教区公式YouTube でもご視聴いただけます。
尾畑 文正 (おばた ぶんしょう)
1947年、三重県生まれ。1971年同朋大学仏教学科卒業。1972年大谷専修学院卒業。1978年大谷大学大学院博士課程満期退学。現在は同朋大学名誉教授。専門は真宗学。著書に『『浄土論註』に学ぶ』、『親鸞聖人の手紙から』(東本願寺出版)等。また、電子書籍として、『歎異抄に学ぶ』(響流書房)等。
また、長崎教会から「非核非戦のつどい」の会場である出島メッセ長崎まで平和行進を行います。
仏様からいただいた「非核非戦~共に生きよ~」という言葉にふれ、それを明日へと伝えていくために、被爆地長崎を歩いてみませんか?
参加をご希望の場合は、下記お申し込みフォームまたはお電話にてお申し込みください。
また、ご参加いただいた方には、記念品として非核非戦オリジナルTシャツをプレゼント!
その他、行進ルートなどの詳細はこちらをご確認ください。
記念品イメージ
<期 日>2025年9月7日(日)
<会 場>長崎教会(長崎県長崎市筑後町9-23)・出島メッセ長崎(長崎県長崎市尾上町4-1)
<テ ー マ>「あなたはどんなくにを願いますか~人間にかえろう~」
<日 程>
9:30 集合・受付
10:00 出発式
10:20 行進スタート
10:30 西坂公園
10:50 長崎駅かもめ広場
11:00 出島メッセ長崎到着
※行進にご参加いただいた方には、昼食を準備しています。
昼休憩の後、午後からの「非核非戦のつどい」にご参加ください。
12:30 受付開始(出島メッセ)
13:00 開会式・開式の辞・勤行
13:30 門首挨拶
宗務総長挨拶
田中 重光氏(日本被団協会長)スピーチ
高校生平和大使スピーチ
14:30 法話(講師:尾畑 文正氏)
16:15 実行委員長挨拶
16:30 閉会
【問い合わせ先】
真宗大谷派九州教務所(玉井・岩倉)
📞 0942-32-3056
✉ kyushu@higashihonganji.or.jp