今月の言葉 17
2021.01.08
聴聞を申すも、大略、我がためとおもわず、ややもすれば、法文の一つをもききおぼえて、人にうりごころある
蓮如上人御一代記聞書
『蓮如上人御一代記聞書』は、本願寺中興の祖である蓮如上人の言行録です。蓮如上人は毎日拝読している『御文』でお馴染みかと思いますが、『御文』にも、この御一代記聞書の中にも、なかなか僧侶にとって耳が痛い言葉があります。
この言葉は聞法についての姿勢を言っておられます。
聞法はどこまでも我が事を言い当てて下さっていると聞いていくものですが、ややもすれば、自分を棚上げして、諸々の事だと思ったり、誰々に聞かせたい等々。さらに僧侶の立場になるともっと悪質で、我が身に聞くどころか、何か自分で話すときの参考として聞いているのである。
そんな自分の聞法の姿勢を言い当てられているお言葉で、折に触れて思い出している言葉です。
(尺一聡)