今月の言葉 18

真宗大谷派九州教区
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今月の言葉 18

2021.02.16

釈迦弥陀は慈悲の父母 種種の善巧方便し われらが無上の信心を 発起せしめたまいけり
親鸞聖人『高僧和讃』

このご和讃は、親鸞聖人が七高僧のおひとりであります善導大師についてお詠みになられたなかの一首です。
慈悲とは、衆生を慈しんで楽を与え、憐みいたんで苦を取り除くおこころですが、そのおこころを父のごとく、母のごとくとお喩えになられています。
私たちにとって父、母とはどのような存在でしょうか。さまざまに思われるところもあると思いますが、一つ大切なこととして私(わたくし)をお育ててくださった方ということがあるのではないでしょうか。もう少しことばを足すと、私の望む、望まないを超えて、それに先立って私の幸せを願いながらお育てくださった方ということでしょう。
このご和讃をいただくとき、釈迦・弥陀が、巧みに善く手だてをめぐらして私たちに信心を起こさせようとするおこころと、父母が子を育(はぐく)むすがたとが重なって聞かされ、みほとけの御恩の深さをあらためて感じさせられます。

(齊藤曉雲)