今月の言葉 19

真宗大谷派九州教区
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今月の言葉 19

2021.03.02

独生独死 独去独来
仏説大無量寿経

私たちはどうあがいても独りで生まれそして独りで死んでいく。
その事実は決して変わりません。
なんと寂しく、そして虚しいことでしょうか。
どうにか人とつながりたいと思っても、他人の考えていることは分からず不安な毎日を送る日々です。

学生時代に一人暮らしをしていたのですが、無性に寂しくなる夜がありました。そんな時はドライブをしながらラジオを聞いていたものです。周りは真っ暗で誰もいない中、遠い遠い自分では行ったこともない場所から、会ったこともない人の声が電波に乗って私のもとに届く。それが不思議となぜか私の心を落ち着かせてくれていたことを思い出します。

直接人と会うことがしづらくなった世の中。孤独を感じる時間も増えたのではないでしょうか。独りぼっちの私。しかしそこには遠い遠い昔から、多くの人々に願われてきたお念仏の声が確実に届いているのです。

独りで生まれそして独りで死んでいく我が身であっても、阿弥陀様は願いをかけてくださっています。世の中がどう変化しようとも本来の人の尊さ、日常の営みの有難さは変わらないはずです。

(佐々木信行)