私が さびしいときに 
 仏さまは さびしいの金子 みすゞ

新型コロナの感染対策が最も求められているのが、医療機関や福祉施設。

もし感染すれば重症化する可能性が高いということで、面会も最小限に制限されています。

特に入院生活では、不安な気持ちで過ごす方がほとんどでしょう。そんなとき、家族や友人の面会や励ましが、なんと温かいことか。

 

しかし今、多くの病院や施設で面会が制限され、ベッドの上で、孤独を抱えている人がいます。

 

私は何ができるのか。そんなことを考えていたら、金子みすゞさんのこの詩が思い出されました。

 

 

さびしいとき

 
私がさびしいときに、
よその人は知らないの。

 

私がさびしいときに、
お友だちは笑ふの。

 

私がさびしいときに、
お母さんはやさしいの。

 

私がさびしいときに、
仏さまはさびしいの。

 

 

 

 

さびしいとき、他人にはわかりません。

友は笑って、「頑張れ」と励まします。

母は、やさしく寄り添います。

でも、本当の私の苦しみを、誰もわかってくれない。

そんな孤独や疎外の中で、“仏さま”というはたらきを、金子みすゞさんは見出しています。

 

さびしいとき、つらいとき、どうしようもないとき、そうでないときも、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と念仏申す。浄土真宗の行は、そこに尽くされています。

 

その声は、私の口から出る仏の声。わたしのさびしさをそのまま抱きしめて、「助けるぞ」「大丈夫」と呼びかけています。

 

さびしいときは、さびしいままに。

 

 

(文/溝邊伸)

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