人間は生死(しょうじ)の苦しみをのがれようとして、生死に苦しんでいる曽我 量深

わたしたちは、なるべく悲しみには出会わずに日々を楽しく生きたいと、つい非現実的な在り方に埋没しそうになります。

そういう風に、明るく元気に、そして病気をせず長生きすることが美徳だと思えば思うほど、死に往かなければならない我が身を嘆き、そのことを思う度に苦しまなければなりません。

それは自ら造った苦しみに自らが苦しめられていることになるのです。

 

わたしたちは「生あるものは死に帰す」という『無常の道理の中に生まれた自分』であるということを受け入れられないが故に苦しんでいます。

ですから、生死の苦しみから逃れるという在り方は、現実的ではないのです。

むしろそれを受け入れられないとしても、それを受け入れようとする心のおこるところに真に自由なる世界(=浄土)が開けてくるのです。

 

(文/亀井攝)

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今月の言葉

今月の言葉 15

わたしたちは、なるべく悲しみには出会わずに日々を楽しく生きたいと、つい非現実的な在り方に埋没しそうになります。 そういう風に、明るく元気に、そして病気をせず長生きすることが美徳だと思えば思うほど、死に往かなければならない我が身を嘆き、そのことを思う度に苦しまなければなりません。 それは自ら造った苦しみに自らが苦しめられていることになるのです。 わたしたちは「生あるものは死に帰す」という『無常の道理の中に生まれた自分』であるということを受け入れられないが故に苦しんでいます。 ですから、生死の苦しみから逃れるという在り方は、現実的ではないのです。 むしろそれを

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今月の言葉

今月の言葉 14

新型コロナの感染対策が最も求められているのが、医療機関や福祉施設。 もし感染すれば重症化する可能性が高いということで、面会も最小限に制限されています。 特に入院生活では、不安な気持ちで過ごす方がほとんどでしょう。そんなとき、家族や友人の面会や励ましが、なんと温かいことか。 しかし今、多くの病院や施設で面会が制限され、ベッドの上で、孤独を抱えている人がいます。 私は何ができるのか。そんなことを考えていたら、金子みすゞさんのこの詩が思い出されました。 さびしいとき 私がさびしいときに、 よその人は知らないの。

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今月の言葉

今月の言葉 13

志慶眞文雄さんのインタビュー記事(『同朋新聞』2018年10月1日号)の言葉です。 志慶眞さんは、沖縄県で小児科医院を営みながら、聞法道場を開催されています。医学部時代、広島大学会館で行われていた細川巌先生(当時、福岡教育大学名誉教授)の「歎異抄の会」に参加。その際、細川先生から「死んでいく虚しさが超えられないのは、あなた自身の問題だからではないのか」と問われ、ハッとしたそうです。 「目の前のやるべき対象を変えることで生死の問題を解決しようと四苦八苦してきましたが、はじめて、実は自分自身の問題だったと気づかされたんです」と志慶眞さん。その後、沖縄に帰り、妻に「もう一度真宗の教えを聞

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