同朋の会結成報告
2022.06.17
【鹿児島県甑島巡回法座・鹿児島組 大照寺 同朋の会結成報告】
2022年4月24日(日)~26日(火)にかけて、「甑島巡回法座」が開催された。当初は2020年に開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い延期となり、今回、甑島寺院の協力もあり、ようやく開催に至った。甑島は、上甑・中甑・下甑3島で形成され、昨年には全島を結ぶ橋が完成し、島同士の交流が増えたが、その反面、過疎化や少子高齢化等により、4年前までは6ヵ寺あった大谷派寺院も、今では4ヵ寺となり、聞法する場の減少が顕著となっている。そこで、本山・企画調整局の協力のもと、巡回法座を企画し、甑島で聞法の場が創造されていくことを願い開催された。講師には、鳴一志氏(鹿児島組正縁寺住職)に出向頂き、講題「甑島の源」のもと、3日間で全寺院(4ヵ寺)を巡回していただいた。当初は、どれほどの参詣があるか不安がありましたが、4ヵ寺で約80名の参詣者があり、その中でも、下甑島瀬々野浦地区にある西淨寺では、50人ほどしか住んでいない集落にも関かかわらず、約40名の参詣があった。鳴氏からは、甑島の『郷土史』の中に記載されていた内容をもとに、「かくれ念仏時代の明治9年までの300有余年間は、鰯漁を生業としていた先達が、“自分たちも鰯と同じ弱い人間、この最果ての地で生まれ命をおえていく身、地獄に落ちて行かざるを得ない”と考えていた方々がおられ、それでも先達は『三誓偈』を大切に勤め、そこに書かれれている三つ誓願に救われ、堂々と生きていかれた方々がおられた。」と、その事実を法話の中で伝えていただいた。参加されたご門徒からは、「今までこの様な法話を聞く機会がなかった。住職、これからはもっと法話をしてほしい。」「甑島まで来て頂き本当にうれしい。ありがとう。」などの声を多く聞こえてきた。2日目には、同朋の会を結成された下甑島の大照寺へ、中根教務所長から、本山からの上山旗と提灯が手交された。「これを持って一度本山というところに行ってみたい」と、ご門徒からの声があり、また、代務者の熊本氏からは「これから毎月28日は同朋会を開催して少数でも続けていく」と、頼もしい言葉を述べらた。鹿児島組には甑島以外にも、奄美大島・種子島・屋久島・獅子島があり、沖縄県にも1ヶ寺、当派寺院があります。本山・教区・組と連携し、あらゆる方法で各地域において聞法の場を創造していきます。是非、鹿児島・宮崎組内で研修会など事業を検討頂き、かくれ念仏の歴史や離島に生きる真宗門徒の姿を目にしてください。 (九州教区駐在教導 玉井和導)
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