なるほど仏事
年中行事
真宗大谷派の寺院における様々な年中行事を紹介します。
報恩講
報恩講は、宗祖親鸞聖人の御命日におつとめする真宗門徒にとって最も大切な御仏事です。真宗本廟では毎年11月21日から28日までつとめられています。また、全国の寺院・教会、家庭でも「お取越」などと呼ばれて相続されてきました。
久留米教区でも大谷会館(久留米教務所)を会場として毎年勤められております。
彼岸会(春・秋)
春秋のお彼岸といえば、お寺参り墓参りで、墓地はいっせいに仏花で彩られます。もともと彼岸とは仏教の言葉で、季節をあらわす名ではありません。生死の迷いの世界があるこの世の此岸に対し、その此岸を超えたさとりの世界を彼岸とあらわしています。また、春分と秋分の日を中日として、前後三日の七日間を彼岸と呼ぶのは、この期間に彼岸会として法要がつとめられたことからきています。
春秋各七日間の彼岸中のお内仏には打敷をかけ、お華束を備え、お花もその季節のものを花瓶に挿します。
盂蘭盆会(お盆)
お盆は正式には「盂蘭盆会」といい、梵語のウランバナを音写したもので、「倒懸(とうけん)」(木に逆さに吊るされたような苦しみ)と訳します。お盆の行事は、『仏説盂蘭盆経』というお経に解かれている釈尊のお弟子・目連尊者の物語に由来するものです。
神通第一と呼ばれた目連尊者は、亡き母を案じ、神通力によって母の姿を探し求めます。すると母は餓鬼の世界に落ち、苦しんでいました。目連尊者は悲しみの中、何とか母を助けたいという思いで、食物を母のもとへ運びます。しかし、母のもとでは全てが炎に変わってしまうのです。どうすることもできない目連尊者は釈尊のもとを訪ね、「安居の最後の日に三世の諸仏方に百味の飲食を供えなさい」と教えられます。そして、そのことを実践し、その功徳によって、母は餓鬼道から救われたという経説がもととなっています。
私たち真宗門徒は、このような由来のあるお盆という行事を、亡き人をとおして、仏法聴聞のご縁をいただく大切な時としてきました。
永代経
永代に経(教え)を相続してほしいという願いのもと厳修される法要です。
修正会
年が明けて最初の法要です。年の暮れにお内仏をていねいにお掃除し、上卓・前卓に打敷をかけ、お華束のかわりに、お鏡餅を折敷にのせて本尊の前にお備えします。また、親鸞聖人・蓮如上人の御影がある場合はその前にもお備えします。これらの準備をすませ、大晦日に「歳末勤行」といわれるおつとめをします。元日の朝は、お内仏の前に家族がそろい、修正会のおつとめをします。